バンガロールで働く会社員のブログ

インド就業関連の情報と、バンガロール生活のまとめ

【バンガロール生活】故郷に帰らなければならなかったのは移民労働者だけではなかった話

5月1日、インド政府は全国的なロックダウンを2週間再延長することを発表しました。

新しいロックダウンのガイドラインでは、地域ごとに感染者数によって3つのゾーン(レッド、オレンジ、グリーン)に分けられ、一部の活動が緩和されますが、バンガロール都市部はレッドゾーンのため基本的にはこれまでと同じガイドラインに従うことが求められます。

ところで、インドの大都市では多くの移民労働者(多くは日雇いで働いている)がこのロックダウンで職を失い収入が断たれる中、鉄道も止まり州境を許可なく越えることもできず、行き場をなくしている現状があります。

バンガロールも例外ではなく、ロックダウンが始まると州政府や民間企業がそういった人々にシェルターや食糧を提供し、なんとか移動を留まらせていた状況ですが、ロックダウンの延長により、カルナータカ州政府はこれらの移民労働者に一時的な移動を許可し出身州までのバスを手配しています。この週末各地に向かって出発しているようですが、2日は州内の移動を含め100台前後のバスが運行予定と報道されています。

ちなみに、州政府は移動することが最善と考えている訳ではなく、移民労働者に対し衣食住の確保を保証するので州内に留まるように訴えています。

社会が通常運転に戻るのは遠い先の話でしょうが、移民労働者にその労働力を頼っている産業は、ロックダウンが解除されても回復までに時間がかかりそうです。

timesofindia.indiatimes.com

さて、ここで私の周辺の話になりますが、私の勤務先は、工場とかではなくいわゆるホワイトカラーの業種で多くのインド人を雇用しています。

勤務先では、4月の中旬には大規模なロックダウンに備え、徐々に在宅勤務に切り変える準備に入り、Janta Curfewの前には一部の部署を除いて在宅勤務が基本、出社には上司の許可を得るという状況でしたが、いち早く在宅勤務に入らなければならなかったのは、出身地から離れて単身バンガロールに住んでいる若い社員達でした。

なぜかというと、学校を卒業してまだ数年の若い社員には、PG (Paying Guest)と呼ばれる下宿のようなところに居住している人が多く、そのPGがいち早く閉鎖を決め始めたため、彼らが地元に帰らなくてはならなくなったからです。

正直、会社はこの若い社員達を在宅勤務させることを優先に考えてはいなかったと思います。ところが、思わぬところから在宅勤務の要望の波がきて、結果的にはそれがトリガーとなってうまく全社員の在宅勤務に移行できたのではと思います。

というわけで、ロックダウンが解除されて出社ができるようになったとしても、州をまたぐ移動に制限が続く場合には、出社人数が100%に出来るのはまだまだ先になると思います。

また、ロックダウンが解除されても、州政府から各企業に対し出社人数を50%以下抑制するなど新たなガイドラインが発表されると思われるので、本当の意味で元通りになるのは何ヵ月も先、何年も先になるのかもしれません。

 

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