インドの会社で働くことになったら、就労、納税関連ではだいたい下記の順番で手続きが進むと思います。
渡印前
Employment Visa取得
渡印後
FRROの登録 (外国人登録)
銀行口座の開設
PANカード(納税者カード)の取得
Aadhaarの登録
恐らくですが、上記の手続きは給与や納税関連で必要ですので勤務先が主導で登録を進めてくれることが多いと思います。
特に、Visa とFRROはエージェントを利用している会社が多いようです。
私の場合は、下記のような感じで半分は自分、半分は会社でした。
自分主導というのは、必要書類があれば会社に発行してもらうけど、ネットの登録などは自身で行うというイメージです。
会社主導:FRROの登録、PANカードの取得
自分主導:Employment Visa取得、銀行口座の開設、Aadhaarの登録
ここからが本日の本題で、現地採用で働く方には、上記の必須手続きに加えて登録をお勧めしたいものがいくつかあって、そのうちのひとつが
Income Tax Departmentの e-Filingサイトに登録して、「Form 26AS」が確認出来るようにすることです。
但し、e-Filingサイト登録にはPANカードと携帯番号が必要ですので、両方が取得出来たタイミングでで行う必要がありますのでご注意ください。(実際には、PANカードの登録に携帯番号が必要だと思うので、PANカードが手元にある=携帯番号もすでにある状態だと思います)
まず、インド就労の基本知識として、インドでは会社員も個人で確定申告 (ITR:Income Tax Return)をする必要があります。
そのITRをオンラインで行うのがの下記のe-Filingのサイトで、ITRの進捗状況や毎年の履歴なども確認ができます。
www.incometaxindiaefiling.gov.in
なぜ、就業を開始して間もなくアカウントの登録をお勧めするかというと、勤務先や銀行等で源泉徴収された税金がきちんと国に納付されているか確認することが出来るからです。
覚えて欲しいのがこの納められた税金の金額や内容を確認出来る書類のことを「Form 26AS」といいます。
今日は、この「Form 26AS」の取得方法と読み方について私なりに解説してみようと思います。
凄く細かいことを言いますと、このForm 26ASが確認出来るのは、
TRACES(TDS Reconciliation Analysis and Correction Enabling System)
という源泉徴収された税金の情報を扱うポータルで確認するのですがe-Filingのサイトにログインするとそこからリダイレクトされて、TRACESで別途アカウント登録をしなくてもForm 26ASの確認が可能になります。
注意!Form16というまた別の納税証明書がありますが、Form16は雇用主から発行される証明書で、会計年度(4月-翌年3月)終了後、6月上旬から中旬に雇用主から受け取る必要がありますので、このポータルから納税者個人が取得することは出来ません。
アカウントの登録方法については下記のサイトに詳しく載っていますので、参考にしてみてください。インドで就業出来るレベルの英語力があれば、特に難しいことはないです。
アカウントの登録が終了しましたら、トップページの左下「View Form 26AS」からアカウントにログインするか、ログイン後に「My Account」のプルダウン「View Form 26AS」から進んでください。
- この後、TRACESのサイトにリダイレクトされますという表示が表示されますが、OKで進んでください。
- ここで、View Tax Credit (Form 26AS)をクリック
- 「Assesment Year」はITRの申告書提出年を意味します。今会計年度(2019年4月から2020年3月)の記録を確認したい場合には、来年の申告分ということになりますので、「2020-21」を選択してください。
- 「View As」は、HTMLとTextが選択できますがどちらでもお好きな方を選択してください。
- その後、「View / Download」で一度内容を表示させ「Export as PDF」をクリックすると、Form 26ASがPDFで取得できます。
Form 26AS 見本
やっと本題のForm 26ASの説明です。
給与所得、銀行の利子に対する税金はPART Aという場所に記載されます。現地採用で働いている人は恐らくここだけ確認すればよいと思います。
- Parmament Account Number:PANカードの番号
- Financial Year:会計年度。確認したい会計年度にになっているか要確認。右横のAssesment Yearは常にFinancial Yearの翌年の表示になります。
- Name of Deductor:税金の控除者の名称。勤務先の名前が入ります。1年間に複数の企業で勤務した場合には、勤務先ごとに表示されます。勤務先以外にも、銀行の利子分に対して銀行で源泉徴収されている税金があれば、銀行もPART Aに記載されます。
- 給与所得について、毎月税金が源泉徴収されている場合、勤務先の項目として4月から翌年3月分まで12行並ぶのが基本です。 なお、勤務先や銀行等が徴収した税金を国へ納付するのは四半期毎となるので、11月に確認すると見本のように4月-9月の6か月分のみ表示されます。利子分は、税金が源泉徴収されるごとになるようなので私の場合昨年度は16行ありました。
- Amount Paid / Credited:税引き前の給与。
- Tax Deducted:源泉徴収された税金の金額。
- TDS Deposited:納付された税金の金額。 6と7は同額になり(ならないケースがあるのか分かりませんが)、ここの金額が給与から引かれた金額と一致するか確認して一致していれば問題ないと思います。
本日のまとめ
私の編集力不足で分かりにくい部分もあるかと思いますが、とりあえず、毎月給与から引かれる税金がきちんと国に納付されているか確認するにはForm 26ASを見ろ!ということを覚えておくと、確認したい事態が発生した場合に役に立つと思います。
それから、Visaの更新が4月や5月で、Form16で前会計年度の納税状況を証明出来ない場合にForm 26ASで証明することも出来るようですのでこれも覚えておくと良いと思います。
※この記事は2019年11月時点での内容です。変更している可能性もありますのでご了承ください。また、私個人の経験を基にした内容になりますので、登録などはご自身の判断でしていただけますようお願いします。